アラカルト

一品料理です。時事的なネタや質問にお答えするようなコーナーです。


JR東日本 駅発車メロディー オリジナル音源集

2004年3月24日、かねてより期待されていたJR東日本 駅発車メロディー オリジナル音源集(以下、CD)がテイチクエンタテイメントより発売された。それに伴いこのCDについて調査、研究をすることを目的にこのページを作ってみた。念のために言っておけば、特にこのページは販促ページでもなくまた製作、発売元に媚びるつもりは毛頭無いのであるが、購入されていることを前提に書いているので以下読まれる際には是非CDをお手元にご用意の上ご覧頂きたいと思う。税込み2500円で全国のCD店で購入できるし、至近に満足な品揃えのCD店が無かったりするのであれば各種WEB通販(例えばアマゾンなど)を利用すると非常に便利である。

ジャケット

表紙は新宿駅13番線を発車する山手線673G。ジャケット画像は三月頭に既に公表されていたことを考えると04/3/13改正以前のダイヤで、発車標に映った「1」「8」の数字から推察するにとある土休日の6:34ごろに撮影されたものだと言うことが解る。裏表紙はJR東日本本社前のペデストリアンデッキから駅南口へ向けて撮影されたもの。小田急の垂れ幕に「1月31日までとは!」と書かれていることから今年の1月中に撮影されたものと思われる。

インレイには先ほどの写真とほぼ同時刻に撮影されたと思わしき写真。新宿駅10番線から小田急ホーム方に向けて撮影されていて、写真の上にはコピー類が並んでいる。この紙は背表紙も兼ねているが、驚いたことに「JR東日本 駅発着メロディー オリジナル音源集」と書かれている。CDのタイトルはジャケットも背帯も「駅発車メロディー」となっているからこれは単なる誤植だろう。

ディスク盤面は昨今の市販CDのように凝っておらず非常にシンプル。1980年代の、CD発売当初のころのそれを思い出す。ただ盤面に収録曲駅名を90近く書かれてもマトモに見るはずもなく、もう少し工夫が欲しかったと思う。

※ジャケット画像はamazon.co.jpのガイドラインに従って使用しています

内容

収録曲はhttp://www.teichiku.co.jp/JReast/に全て掲載されている。非常に多数収録されているように思うが「重複しているメロディーがございます」為に実際に収録されているのは48種類である(それでも多いが)。テイチクがJR用に制作した発車メロディーが80種類程度と言うから約6割が収録されていることになる。またおまけとしてメドレーの2種類が収録されている。

重複と言ってもどの程度の重複なのか、少しまとめてみた。

朝の静けさ、スプリングボックス
ホリデイ V1
twilight、すすきの高原、メロディー、春待ち風
sunny islands、sunrise、あざみ野 V1、小川のせせらぎV1、美しき丘、木々の目覚めV1
dance on、mellow time、see you again、遠い青空、瞬く街並み、新たな季節、線路の彼方
airly、cappuccino、farewell、シンコペーション、すすきの高原 V2、ベルの響き、ホリデイ V2、海岸通り、古いオルゴール、光と風と、秋桜 V1、小川のせせらぎV2、雪解け間近、木々の目覚めV2
あざみ野 V2、くるみあそび、コーラルリーフ、遠い青空 V2、夏色の時間、花と空、花のほころび V2、春一番、新雪、星空の下、鉄腕アトム V1、鉄腕アトム V2、南風の行方、風と共にV2

重複回数が多い=使用駅が多いという法則は一理あるが、南武線や武蔵野線の同曲連続使用区間は一纏めにされていたり、音色違いがある曲は音色毎に分けられてしまうので必ずしもそうであるとは言えない。ここで「音色違い」が出てきたが面白い考察が出来る。例えばすすきの高原には「すすきの高原」(5回)と「すすきの高原 V2」(2回)の二つがある。Vはバージョン(Version)の略であり音色(特に主旋律のそれ)違いで同じ旋律の曲を区別するために付けられるが前者にはそれがついていない。とはいえ他曲から推察して前者を「V1」としても支障はなかろう。また「風と共にV2」にはV1はおろか、それに相当する曲さえない。つまり「風と共にV1」は発車メロディー用楽曲としておそらく製作はされていても実際に駅で使用されることはなく、従ってこのCDにも収録されていないわけである。

"発車メロディー"と"音源"

ホリデイという曲はhassya.netで近郊地域39番として分類している。リンク先を見ていただければ解ると思うが細分化されていて登場順に39、39-1、39-2、39-3の4種類がある。一方今回発売されたCDの当該曲には「V1」と「V2」の2種類しかない。この曲が最初に登場したのは1999年3月17日の立川駅と国立駅。この時登場したのは比較的「V1」に近いタイプだった。続いて同年6月14日に戸塚駅に導入。この時に導入されたのは「V2」なのだが「V1」と音色以外同じ曲ながらテンポが遅く、旋律がはっきりしないと言う特徴があった。この時点で39-1が付与された。続いて登場したのが同年9月の稲毛駅。戸塚駅とほぼ同一の曲でありながら他駅と比較的似た音質で逆に戸塚だけ特異であったことから稲毛のホリデイを39-2と付与。後に39-2は総武快速線千葉支社管内の下り標準曲となる。その後2002年12月1日に供用開始した大崎駅6番線に導入されたホリデイは「V1」の音色でありながら39-1、39-1と同じテンポという特徴があったため39-3が付与された。

だいぶ話はややこしくなったが発車メロディーとしてのテイチク曲には大別して以下のパターンがある。

  • α … 最初に登場。「V1」等に"比較的"近い(39タイプ/新宿駅、立川駅初期導入曲に多い)
  • β … "α"よりテンポが遅い(39-3タイプ)
  • γ … "β"とほぼ同じテンポで音色が「V2」のタイプ(39-2タイプ)
  • δ … "γ"の音質がもやもやした感じ(39-1タイプ/戸塚駅初期導入曲)

これらの違いが何故出てくるかと言うことはまた別の機会に書くが、端的に言えばCDに収録されているそのものは発車メロディーとして殆ど使用されていないのである。タイトルが例えば「駅発車メロディー集」でなく「駅発車メロディーオリジナル音源集」なのはあくまでも「駅で流れるメロディー」ではなくその「音源」を収録したものだというアイデンティティなのであって、自分らがCDを通じて提供するものはあくまでも音源(マスター)まででありその先の、音声カードに焼かれ、機械に入れられ、アンプとスピーカーを通じて通常駅で利用者の耳に入るものではない、という制作者の主張が垣間見える。

またそれ以外の違いは以下の通り

    ★現在使用されながらも収録されていない曲  
  • ・春待ち風(近郊40相当)
  •  
  •  →収録されている春待ち風と同じ音色なのは立川、大崎、相原のみである。
  •  
  • ・武蔵高萩1番線の曲(夏が来れば/近郊63相当)
  •  
  •  →ブックレットには1番線が収録されていることになっているが、武蔵高萩駅の木々の目覚めは2番線(上り川越方面)で使用されている。

    ★過去使用されながらも収録されていない曲  
  • ・秋桜(近郊41、41-1相当/現在不使用)
  •  
  •  →仮に収録されていたら「秋桜 V2」になると思われる。
  •  
  •  →収録されなかったのは現在使用されていない為の作為的な処置と思われる。

    ★使用されていないのに収録されている曲  
  • 26.西船橋11・12「dance on」
  •  
  •  →西船橋の11・12番線はGK製メロディー。「dance on」自体は他駅で使用
  •  
  • 52.福生「新雪」
  •  
  •  →青梅線メロディー統一以前含め実際に駅で使用されたことはなかった。他駅でも不使用。

    ★CD記載と現在の使用状況に乖離が見られる箇所  
  • 22.勝沼ぶどう郷
  •  
  •  →ホリデイ V2 が正当
  •  
  • 20.梁川、48.矢野口〜分倍河原(春待ち風)
  •  
  •  →「現在使用されながらも〜」の項で解説済

プロトタイプはいつ?

CDには「発車メロディーは随時楽曲の変更が行われています」と断り書きがついている。それではこのCDはいつの時点の使用状況を元に収録されているのだろうか。まず青梅線は現在西立川〜青梅間で上下それぞれ同じ曲を使用している。しかしCDでは51.昭島、53.河辺では違う曲を、拝島では(おそらく)他社製メロディーを、小作と東青梅では上下逆に使用している事になっている。このうち一番古い変化は2003年12月5日の昭島、拝島、河辺の変更でありプロトタイプはこれ以前ではないかと思われる。しかし東青梅へCD収録曲が採用されたのは同年12月10日(それ以前は他社曲使用)であり辻褄が合わなくなる。小作に至っては同月12日にブックレット記載とは逆に採用されている。他にも同年12月18日の武蔵野線新松戸駅テイチク化がCDに反映されていながら11日の指扇メロディー変更は反映されていない。おそらくこれらの矛盾は実際の導入日(工事業者の作業日)に基づいているのではなく、例えば事務的な契約日とかいった日に基づいている為ではないかと思われる。その事を鑑みると大体2003年10〜11月あたりの、何らかの状況を反映しているのではないだろうか。

並び順考察

このCDは「駅、路線に大別して収録」と謳われているように新宿から1路線収録しては次の路線へ、と言った塩梅で収録されている。おおよそこんな感じである。

  • TR1〜14 山手線外回り(新宿→渋谷)
  • TR15〜25 中央線下り(代々木→小淵沢)
  • TR26〜33 武蔵野線上り(西船橋→北朝霞)
  • TR34〜35 埼京・川越線下り(武蔵浦和→武蔵高萩)
  • TR36〜41 高崎線下り(尾久→新町)
  • TR42〜46 東北本線下り(さいたま新都心→氏家)
  • TR47〜49 南武線下り(津田山→府中本町・分倍河原)
  • TR50〜53 青梅線下り(西立川→河辺・青梅)
  • TR54 横浜線(相原)
  • TR55 鶴見線(鶴見)
  • TR56〜57 横須賀線下り(戸塚→鎌倉)
  • TR58 東北新幹線下り(いわて沼宮内→八戸)
  • TR59〜62 両毛線上り(栃木→伊勢崎)
  • TR63〜64 総武快速・本線下り(船橋→八街)
  • TR65〜68 成田線下り(我孫子→東我孫子)
  • TR69〜70 外房線下り(誉田→茂原)
  • TR71 内房線(袖ヶ浦)

新宿は別として、使用曲の少ない路線は他路線に紛れ込んでしまい結果的に常磐線のようにTR10(日暮里/山手線に大別)→TR32(新松戸/武蔵野線に大別)→TR66(我孫子/成田線に大別)と見事にバラバラになってしまっている路線もある。CDのこの収録方法に対して物思うことは多々あるがまた別の機会に書き記すとする。

"自分オリジナル"音源集を

このCD、「聞く」に適しているが「聴く」となるとどうしても重複があり次第に煩わしくなり人によっては飽きてくるだろう。そこで曲の編集、並べ替えをして自分オリジナルの音源集を作って見るのはいかがだろうか。パソコンの他に、CD-R、ドライブ、音吸い出しソフトと波形編集ソフトがあればものの30分程度で作ることが出来る。詳しいやり方は各自研究して欲しい。

曲別インデックス

前項の自分オリジナル音源集を作るのに、また今聴きたい曲をすぐ聴くのに便利なよう曲別インデックスを製作してみた。曲名をクリックすれば使用状況が解る。

2、47、54
60
2-2
5、68、38-2、53-2
12-2、14
5-2、21-2、28-2、57-2
35、61
4、19
21、70、4-2、31-2、51-2
37-2、65-2
58-2
62、7、34
16、22、11-2、17-2、47-2、68-2
56、63-2
48、12、18、20、54-2
41、59
51、57、63、22-2
36
27、10-2、36-2
15、19-2
23、67
67-2
30、32、49、7-2、67-3
66-2
10、24、45、66
50、65
6、30-2、33-2、43-2、44-2
9、26、28、33、37、69、70-2
43、46
71、6-2
25、55、39、42、72、27-2、50-2
3、17、42-2、72-2
1、44、18-2
29、53、32-2、46-2
13、26-2、45-2
40、71-2
64、38
14-2
11、31、20-2
58、3-2、24-2
なし
1-2、39-2
34-2
49-2
69-2
8
8-2
29-2
52

TRナンバーは 1曲収録のトラック>その曲が頭に出てくるトラック>その次に出てくるトラック という順で、曲は原則として駅での登場順に並べてみた。自分オリジナル音源集製作に際してはCDでの並び順を踏襲し重複を排した順、重複数順、使用駅数順、曲のイメージから抱く季節順など好みに応じて編集してみるのも一考だろう。私は好みの曲順にスルッとKANSAIサウンドコレクションに収録されている京都市営地下鉄発車メロディーも入れて1枚の自分オリジナル音源集CDを製作した。

終わりに

まずこのようなCDを企画し、発売してくれた全ての関係者に感謝したいと思う。また他社もこのような企画を続けてくれると嬉しいと思う。このアラカルトを書くのにあたり「めろぼといっしょ」等掲示板類の投稿を参考にした。各投稿者諸氏にはこの場を持って御礼申し上げる。

   
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